写真展スケジュール

Leonardo Pellegatta写真展『IL CIRCO/イル CIRCO』
2009年7月6日(月)〜7月18日(土)

大きなテントはぐんぐん膨らみあがり、サーカスは空に舞い上がってゆく…まるで気球のように。田園から高速道路、そして郊外から大都市へと飛んで行き、とうとう広い空き地を見つけ、着地する。少しの間だけ、暗闇から盗まれたその空き地が、サーカスの“家”に変身するのだ。

サーカスについてのドキュメンテーションは1997年、イタリアの三つのサーカスファミリーと旅路を共にしながらミラノで始まった。時を重ねるにつれ、サーカスの大きなテントの中で起こる様々な出来事を知り、見ることが出来た。サーカスの人々、彼らのショー、舞台裏の仕事、その終わりのない旅、そして小さなサーカス団の中に存在する強い絆…。大きなテントはまるでサーカスの人々の身体の一部のようであり、彼らのアイデンティティーを包み守っているかのように思われる。彼らは魔法の存在を具象化している。観客席の子供達に奇想天外な現実を見せることは、同時にサーカス芸人の子供達に、彼らの技巧と、そして運命を啓示しているのだ。

サーカスの旅は、先祖伝来の旅でもある。映画監督、フェリーニはこう言っている。“曲芸師、手品師、ライオン調教師は我々人間の不変的な価値を象徴している。力、勇気、過酷さ、身体的能力…。だが道化師は、私達を嘲笑いながら人間の持つもろさ、とりとめのなさ、人生の不条理さを問い質しているのだ”。

サーカスが生き残っていく為には永遠に限りない旅を続けなければならない。

それは単に彼らの暮らすキャラバンの移動だけではなく、サーカスの芸人が創り出すペルソナ、すなわち登場人物の旅も世代を超えて続いていくのである。

サーカスへ続く小さな入り口を潜り抜けるとき、まるで僕の少年時代へ続く小さなドアを潜り抜けるような錯覚に捕われる。感傷的で、抽象的で、超現実的な僕たちの住むこの世界の記憶と一緒に…。

Leonardo Pellegatta